研究概要 |
1.エアカーテン性能を測定するための以下の実験装置を製作した.保温室の容積は1.5m×1.5m×1.5mで,保温室の開口面(1.5m×1.5m)にエアカーテンが取り付けられている.送風機から吐き出された空気は風路で整流され保温室の開口部上部からエアカーテンとして下方に噴出され,下部の吸込部で吸い込まれ,風路により送風機吸込口に導かれる.保温室内の床面にはリボンヒータが接着され,その出力はスライダックにより調整される.保温室内の温度は熱電対により測定され,ハイブリッドレコーダに記録された後にデータ処理用パーソナルコンピューターで処理される.本装置の性能をエアカーテンの熱移動および流れ特性により検討し,本装置はエアカーテン研究装置として十分な性能を有していることを確認した. 2.エアカーテン噴出口に鋸歯状突起を取り付けて,保温室の保温性能を計測した.保温室床面のヒーター出力を600Wに保ち,風速4m/sについて,保温室内外の温度差を測定し,鋸歯状突起が無い場合の結果と比較検討し,保温性能は50%上昇することを確認した.これは,鋸歯状突起の大規模渦抑制効果によりエアカーテンの熱移動抑制効果が向上し,保温性能が上昇したもので,鋸歯状突起による三次元撹乱効果の有効性を示している. 3.エアカーテンの拡散特性におよぼす風速と三次元撹乱の影響を二次元噴流発生装置により詳細に検討した風速は1m/s,2m/s,3m/s,4m/s,5m/sとし,噴出口に鋸歯状突起と柔毛を取り付けて流れに三次元撹乱を与え,熱線風速計で測定した速度分布により噴流の拡散特性を検討し,鋸歯状突起の最適形状を明らかにし,柔毛も効果的であることを確認した.
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