配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
1999年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1998年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1997年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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研究概要 |
キャビテーション気泡の中でも高衝撃性を示す可能性の高い渦キャビテーションを取り上げ,その衝撃発生の様相そして機構の解明を試みるとともに,特に非定常な渦挙動あるいは気液二相系渦状態にある渦キャビテーションの挙動を詳細に検討した.主な成果としては以下のことがらが挙げられる. まず,三角柱や円柱などの剥離剪断層に生じる交互放出形の渦キャビテーションの挙動,特に衝撃挙動を観察し,衝撃性気泡崩壊が一対の渦のエントレインメント流れを伴う非定常運動によって引き起こされることを明らかにした.また,壁面近傍での気泡崩壊挙動を工夫された装置で観察をし,大きく3種類に分類される渦キャビテーション気泡の崩壊パターンのうち,壁面方向に回転軸をもつAxial-Collapse形がもっとも衝撃が大きく,このパターンが実際に壊食ピットを形成することを実験的に証明した.しかも,そのピットは複数であることを示すことにより,渦キャビテーションの崩壊による1回のアタックは気液二相状態の気泡クラスターの崩壊・衝撃であることを明らかにした.ついで,衝撃性の高いキャビテーション挙動をできるだけ直接捕らえることができるような柔らかい材料をコーティングした壊食試験板を考案し,種々の実験を行い,上述の渦キャビテーションの集団性を明らかにするとともに個々の衝撃痕を観察した.研究の進展と共に放出形の渦キャビテーション気泡が強い衝撃性をもつことが明らかになり,現段階で未解明な軸対称内部流れのキャビテーション衝撃挙動を調べ,この種の剥離渦流れでも放出形の気泡が現れ高い衝撃性を示すこと,気液二相状態の剥離泡中にリエントラント流れが発生し気泡放出に密接に関連すること,そして放出された気液二相渦がリング状を示すことなどを明らかにした.また,本研究成果などを核として,キャビテーション発生および衝撃の観点から既存の研究成果のまとめも試みた.
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