研究概要 |
本研究は,市販の全自動洗濯機の振動を抑制する目的で行った.洗濯機は,他の回転機械と異なり,使用の度に大きさと方向が異なり,また極めて大きな不つりあいをもつので,制振が難しい.これに対し,パッシブな制振法を試み,以下の成果を得た. まず第一に,洗濯機をモデル化した.それを用いてパラメータを変化させて数値シミュレーションを行い,制振効果を確かめた.提案するパッシブ制振法では,パラメータをうまく調整できれば,振動を1/2から1/3に抑えれることを明かにした. 第二に,実験によりその効果を調べた.市販の洗濯槽兼脱水槽の下部に防振ダンパを付け,そのその効果を確かめた.数値シミュレーションで求めた最適値を与えるばねなどが入手できなかったこともあり,最適の状態は実現できなかったが,それなりの効果は認められた.また,このような低振動数の第1モードに対しては,(1)で得た最適値でも摩擦によって,著しくその特性が左右されることが明かとなった. 第三に,アクティブ制振法を試みた.洗濯機が本来もつばねに追加し,新たにコイルばねを設置し,そのばねを電磁石によりON/OFFする準アクティブ制御を行い,共振点を瞬時に通過する制振法について,数値解析,シミュレーションにより有効性を確かた.これについては未だ研究の途中である.
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