研究概要 |
SRモータは構造が簡単,メンテナンスフリー,堅牢である。誘導機に比べ,大トルクを得ることができる,などの特長を持つことから電気自勲車駆動用モータとして近年注目を浴びている。 従来,SRモータの駆動回路は各相巻線に直列にスイッチ素子およびダイオードを接続した,構成の簡単な回路が用いられていた。制御方法は,回転子位置を検出し,それにしたがってスイッチのオン・オフを行う。しかし,SRモータの構造上,スイッチをオンにしてもすぐには電流が流れず,また,オフにしてもモータには電流が流れたままになる。前者は,トルクの低下の原因となり,後者は回転方向とは逆向きのトルクが発生するため,効率の低下の原因となる。 そこで本研究では,電気的共振現象を利用したSRモータ駆動回路の開発を行った。本方式では,従来の駆動回路に比べ,共振を利用して電流ピークを大きくすることによって大トルクが得られ,また,回転方向とは逆向きのトルクを極めて小さくできるため,効率の向上が実現できた。定負荷実験においで,提案回路ではトルクは従来回路に比べ3〜4倍,効率は10数%向上したことにより,提案回路では大トルク,高効率が得られることが確認できた。これらの結果は後述のとおり,学会誌等で有用な発表を行なうことができた。
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