研究課題/領域番号 |
09650314
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
電力工学・電気機器工学
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
垣本 直人 京都大学, 工学研究科, 助教授 (70136133)
|
研究分担者 |
垣本 直人 京都大学, 工学研究科, 助教授 (70136133)
|
研究期間 (年度) |
1997 – 1999
|
研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
|
配分額 *注記 |
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
1999年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1998年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1997年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
|
キーワード | パワーエレクトロニクス / 電力系統 / 電圧異常現象 / 軸ねじれ共振 / サイリスタ制御直列コンデンサ / 静止形無効電力補償装置 / 周波数特性 / 高調波不安定性 / パワーエレククトロニクス / 電圧共振 / サイリスタ制御リアクトル |
研究概要 |
本研究では静止形無効電力補償装置(SVC)による電圧異常現象とサイリスタ制御直列コンデンサ(TCSC)による軸ねじれ共振現象について検討を行った。以下に得られた成果をまとめる。 1)SVC補償系統における電圧異常現象の解析 SVCはコンデンサとサイリスタ制御リアクトル(TCR)から成る。ます、TCRの周波数特性に対する理論式を導いた。周波数特性は基本周波数の電圧にある周波数の微小電圧を重畳し、その周波数の電流変化量から求めることができる。数値シュミレーションに比べ、きわめて短時間で計算することができる。サイリスタの点弧法により周波数特性は異なる。電圧をそのまま用いる零点検出法ではコンダクタンスが負になる周波数域がある。これに対し、電圧の基本波を抽出し、その零点に基づいて点弧する方法ではすべての周波数がコンダクタンスが正になる。つぎにSVCを長距離くし形系統に適用し、ある電圧振動モードが不安定になることを示した。これはTCRのコンダクタンスが負になることが原因である。したがって、電圧の基本波を位相同期ループ(PLL)により取り出して点弧すれば、電圧モードが安定に成ることを明らかにした。また、数値シュミレーションによるその妥当性を検証した。 2)TCSC補償系統における軸ねじれ共振の解析 TCSCの構成はSVCとおなじである。しかし、送電線と直列に入るための動作が異なる。基本周波数の電圧にある周波数の微小電圧を重畳とすると、TCRには多くの周波数成分をもつ電流が流れる。TCSCではこの電流成分がコンデンサに還流し、新たな電圧成分が現れる。本研究では周波数成分に関する連立一次方程式を導き、それを解くことによりTCSCの周波数特性を求める方法を提案した。連立一次方程式の係数は理論式により与える。TCSCについてもサイリスタの点弧法により周波数特性が異なる。つぎに、TCSCのインピーダンスはら発電機のダンピングトルク係数を求め、その周波数特性と点弧角の関係を調べた。TCSCでもダンピングトルク係数が負になるため、SSRが起きる可能性がある。しかし、直列コンデンサと比較すると、その値はかなり小さくなりSSRが緩和される。また、零点検出法ではダンピングのピークが点弧角とともに移動するのに対し、基本波による点弧法では点弧角を小さくするとピーク値も小さくなる。これより後者のほうが、SSRを抑制するのにより有利であることが明らかとなった。
|