研究課題/領域番号 |
09650317
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
電力工学・電気機器工学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
三谷 康範 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (10192759)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
1998年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1997年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | 電力系統 / 非線形システム / Hopf分岐理論 / 安定度 / 最小2乗法 / 軸ねじれ共振 |
研究概要 |
本研究では、分岐理論に基づく電力系統の非線形解析とその結果を用いた電力システムの新しい安定度解析手法の開発を行った。電力システムは大規模な非線形動的システムである。従来から行われてきた過渡安定度解析は非線形システム解析の一例である。これに対して本論文の目的は、主にHopf分岐理論に基づく電力システムの安定度解析に関する新しい提案を行うものである。したがって、これまで行われてきた過渡安定度の境界とHopf分岐理論からでてくる不安定周期軌道から決まる安定度の境界は少し異なった結果を与えるものと考えている。 はじめに、分岐理論を適用した電力系統解析の応用例として軸ねじれ共振現象に対する非線形解析を行った。その結果、軸ねじれが発生する領域において、Hopf分岐ばかりでなく、安定なトーラス軌道や不安定なトーラス軌道が存在することが明らかになった。また、送電系統の直列コンデンサの補償度をパラメータとして変えることにより、それらの特性及び安定性は大きく変わり、軌道の特性や軌道の安定性を複雑に変化させながら軸ねじれ不安定性を生じた平衡点の回りに周期軌道やトーラス軌道が存在している様子を見出すことができた。 つぎに、分岐理論を電力系統の安定度解析に応用することを検討した。非線形システムの分岐の様子は微分方程式が状態変数の陽関数のみで表現されていれば、比較的簡単に数値解を求めることができる。しかしながら、電力システムにおいては多機系統の場合、こうした解析は簡単には行えない。そこで、微分方程式の関数を多項式近似する方法を提案し、そこから分岐の特性を観測する方法を導いた。 周期軌道の存在の有無やその安定性ばかりでなく、安定限界を決定する重要な要因となる不安定周期軌道の軌道半径を定量的に求められることを数値例を用いて示すことができた。また、この手法をくし型連系系統の長周期動揺の観測へ適用することができた。
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