研究概要 |
電気、電子機器の普及に従い、コンデンサインプット形直流電源の設置台数も増加し、これによる力率の低下と入力電流の高調波の発生が電力系統に悪影響を及ぼし始めた.いはゆる電気的な環境汚染であり,これを防ぐため法規性が行われようとしている。このため、高力率化を達成する直流電源の開発が盛んに行われており、緊急に解決すべき課題となっている。このため、より簡単な回路構成でソフトスイッチングを実現する回路を検討した。 9年度] この結果、基本的にはコンデンサのみを用いてソフトスイッチングが実現出来る回路(コンデンサ方式ソフトスイッチングAC/DCコンバータ)を考案することが出来た。本方式によるソフトスイッチング回路を昇圧形,昇降圧形AC/DCコンバータに適用し,実験装置を作製し,実験を行い,力率,出力リプル率等の基本的特性を取得し,基本動作を把握することができた. また,インダクタ転流方式のソフトスイッチングDC/DCコンバータを開発し,スイッチングノイズが少なく,高効率のコンバータを得ることができた. 10年度] 9年度に開発したコンデンサ方式昇圧形ソフトスイッチングAC/DCコンバータの特性解析を行い,入力力率,歪率,出力電圧及び出力電圧リプル等の基本特性を求め,設計指針を得ることができた.次に,これを実験結果と比較検討し,解析解が妥当なものであることを示した.これらの結果をまとめ電気学会で発表し,論文誌に投稿し採録された(本年5月号に掲載予定).また,米国電気電子学会のパワーエレクトロニクス専門家会議の論文として採録され,本年6月に発表予定である. 今後は他回路へコンデンサ方式を適用した場合の特性解析およびインダクタ転流方式のソフトスイッチングDC/DCコンバータのAC/DCコンバータへの適用について検討したい.
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