研究概要 |
同位体酸素(^<18>O_2)ガスを用いてPZT(Pb(Zr,Ti)O_3)薄膜を作製し,膜に含まれる酸素の質量をSIMSを用いて測定ることにより膜中酸素の起源を調べた.金属モードでPZT薄膜を作製すると,膜中酸素のうち90%はPbOからきた酸素であり,残り10%が流した酸素ガスからきたものであることが判明した.従って,この場合PbOが主要な酸素源ということになる.一方酸化物モードの場,合PbOから供給される酸素は30%であり,流した酸素ガスが主要な酸素源であることをはじめて明らかにした. つぎに、PbのZr+Tiに対する比率の定量的検討を行ったところその比率が3以上のときペロブスカイト構造になりやすいことが判明した。この結果は、ちょうどPZTの化学量論比を満足するようにPbOから酸素が供給されたときペロブスカイト構造が生じたと理解される。Pbの蒸気圧が高く、単にそれを補うために過剰なPbOが必要なのではない。これは新しい着眼点であるといえる。 最後に本研究では、得られた結果を基に、準金属モードスパッタ堆積におけるターゲットの設計指針を与えいる。
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