研究概要 |
並列計算機のボード間のような由由空間における光インターコネクションにおいて,空間的結合パターンを容易に変更することが可能な自由度のある結合方式を実現するために,伝送される光にあらかじめ伝送先を識別できる識別用疑似ランダム位相パターンを空間周波数域あるいは時間周波数域において与えることで多重化して伝送し,受信側でのマッチングフィルターによって対応する信号を識別する新しい方式を研究し,以下の知見を得た。 1. 128x128ピクセルからなる16階調位相変調型空間光変調器を想定し,空間周波数域におけるCDMAによって空間多重化を行い,M対N接続を構成した場合,符号長127のM系列をキーコードとして用いれば,約100以上の経路が多重できることが明らかになった。 2. 128ピクセルの位相変調型液晶アレイを用いて,ルーティングパターンとコーディングパターンを重畳させることで,HeNeレーザを空間的に疑似雑音化して伝送し,受信側でデコーディングできることを多重数2において確認し,本方式の原理を実証した。 3. 低コヒーレント光のコヒーレント関数に空間パターン情報を書き込んでアナログ的に伝送し,周波数域でホログラムを形成して空間情報として読み出すことで,オリジナルの空間パターンが検出できることを実験から確認した。 4. 1.3μmの近赤外域の光を用いたスペクトラムホログラムを実現させるため,ホログラムの作成には乾板が感度を持つ2倍高調波で書き込み,これを基本波長で読み出す方式を実験し,その動作を確認した。
|