研究概要 |
本研究の成果は以下の2つに分けられる. 1 高誘電率円板共振器におけるウィスパリングギャラリモードの共振周波数の算定及び電磁界分布の実験的解明 2 高誘電率方形誘電体導波路の伝搬特性の解明 以下にそれぞれの成果について述べる. (1)について 従来の近似変数分離法に加えて,等価誘電率の概念を導入し高誘電率円板共振器のウィスパリングギャラリモード共振周波数の算定した.その結果,従来の結果を多いに改善することがわかった.また,ウィスパリングギャラリモードのモード名を決定するためにこの円板共振器に定在波をたたせ,その電磁界分布を精度良く測定をし,ウィスパリングギャラリモードの電磁界的振る舞いを明らかにした.さらにより高精度の解析法をめざし,円板共振器内外の電磁界分布を球面素波で表わし,境界の数点で境界条件を満足させるポイントマッチング法を応用した解析法を確立した.この方法は共振周波数及び無負荷時のQ値を同時に算出できる方法で画期的なものである. (2)について 高誘電率方形誘電体導波路では,電磁界は導波路境界の近傍で湾曲する.本研究ではこのことを考慮にいれて,全ての電磁界成分(6成分)を使って固有値方程式を算出している.この際最初に主横方向電磁界の境界条件から誘導される固有値方程式を求め,それを解くことにより無限個の解の組を得る.次にこの無限個の解の組の中から正しい解を得るために副次的な横方向電磁界の境界条件からのずれを用いている.得られる伝搬定数を従来から最も精度の良いと言われている方法での結果と比較検討したところ両者は互いにほぼ一致た.本解析法は非常に簡便な方法ではあるがその有効性が明らかになった.
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