研究課題/領域番号 |
09650424
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
情報通信工学
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研究機関 | 中央大学 |
研究代表者 |
趙 晋輝 中央大学, 理工学部, 教授 (60227345)
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研究分担者 |
百瀬 文之 中央大学, 理工学部, 教授 (80182187)
辻井 重男 中央大学, 理工学部, 教授 (50020350)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
1998年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1997年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 情報セキュリティ / 暗号 / 公開鍵暗号系 / 楕円暗号 / 離散対数問題 / 有限体 / 公聞鍵暗号系 / 楕円曲線 |
研究概要 |
本研究は、楕円曲線に基づく離散対数問題を新しい一方向性関数として用いて、安全性の高い暗号アルゴリズムを開発することを目的としている。安全な楕円曲線の作成が困難であるという、楕円暗号系において最も重大な問題点を解決するために、楕円曲線に関する理論的検討を行なうことによって、従来の生成法よりはるかに能率的な構成的設計法を開発している。 現在、楕円曲線の構成法として主に用いられているのは、ランダムに選んだ曲線の位数、つまり楕円曲線の点の数を計算して、その安全性をテストする方法である。しかし、任意の楕円曲線の位数計算は時間がかかって、さらに、ランダムに選ばれた曲線の位数が、安全性テストを通過する確率は非常に低いので、一般に安全な楕円曲線を見つかるまで、多数の試行錯誤を繰り返さなければならなく、多大な計算を要する。 一方、代数体上に定義される虚数乗法を有する楕円曲線が利用できれば、特に、多数のユーザに異なる暗号鍵を持たせるために、又は暗号系を安全に運用するために、虚数乗法を持つ代数体上の楕円曲線を利用する暗号系の開発は重要な意義を持つ。 従来の虚数乗法を持つ楕円曲線の構成法は、保形関数の級数展開を用いているため、その計算量は、虚数乗法体の類数の指数時間を演算が必要である。本研究では、虚数乗法を持つ楕円曲線の還元の性質を利用して、小さな有限体上の楕円曲線を持ち上げることに成功して、虚数乗法体の類数の多項式時間の高速アルゴリズムを提案している。具体的にソフトウェア実現に有利な大きな素体において、そして、ハードウェア実現しやすい標数2の拡大体上において、ShanksのBaby-step-giant-step攻撃法及びMOVリダクション攻撃に安全な楕円暗号系を構成している。 さらに、超楕円暗号系においては、安全な超楕円曲線の構成は、楕円曲線に較べて格段に難しく、現在現実的に曲線を構成する方法は知られていない。本研究では、アーベル多様体のCM理論を利用することで、虚数乗法を持つ超楕円或は代数曲線を利用して、安全な暗号系の効率的な構成法を提案している。さらに、上記持ち上げによる楕円曲線の構成法を超楕円曲線へも拡張している。
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