研究概要 |
研究期間内で達成目標とした命題は「漏洩現象に災いされ難いミリ波平面回路,伝送線路の高性能化」である.これに対する独創的な解決方法の開発を目指して種々の方向からのアプローチを試みた.その結果えられた新しい知見等は下記に列挙するとおりである. 1.複数の漏洩複素波が相互関連する複雑なモード分散関係の挙動 平面回路線路が呈する高周波帯での導波モード,表面波および空間波漏洩モードの相互関連 2.新しい複素漏洩波および二つの複素漏洩波間のモード結合現象の発見とその裏づけ 新規に発見した「擬表面波漏洩モード」と既存の基本漏洩モード間のモード結合現象 3.一様平面回路線上での速波漏洩波(空間漏洩放射モード)の発生とその発生機構の解明 ミリ波以下で存在し,空間にエネルギー放射を伴う空間漏洩モードの発見とその特異振舞いの解明 4.励振電磁界における非物理固有波の振舞いの解明 平面線路の実用励振源での励振電磁界に見られる実数固有解(非物理解)の影響についての考察 5.非物理固有解が励振物理解に間接的影響を与える現象の発見とその裏付け 4項の問題の理論的,実験的検討と線路高性能化に対する問題点の指摘とその解決法の検討 6.漏洩現象が存在する平面回路線路の簡易固有モード特性解析とその問題点の指摘と裏付け 簡易に漏洩現象が存在する平面回路線路を解析する際の危険性とその原因の指摘 7.マルチメディア対応平面回路線路が呈する狭帯域化現象と線路の新設計法の提案 漏洩現象に災いされ難いミリ波平面回路,伝送線路の設計チャートの作成と線路高性能化への提言
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