研究概要 |
本研究では,特に高位レベルの制御器として,スーパバイザを用いる場合を想定し,スーパバイザ理論に関する基礎研究と切り替え型制御系を想定した安定解析について研究を行った,主な研究成果は以下のとおりである. ●連続システムの離散近似モデルをペトリネットを用いて構成する方法を提案した.さらに,ハイブリットペトリネットにおいて弱発火可能なトランジションのサイクルが存在する場合にも適用できる新しい発火規則を提案した. ●部分観測の基で,スーパバイザを有限状態オートマトンで構成することができる必要十分条件を導出した.さらに,オンラインで効率よく制御パターンを選択できる手法を提案し,その手法により,極大可制御可観測言語が生成できることを示した. ●分散スーパバイザ制御において,ローカルスーパバイザが故障しても制御仕様が満たされるための必要十分条件を求めた.さらに,ペトリネットでモデル化されたシステムに対する故障診断器の設計法を提案した. ●スイッチトフローモデルで記述されるハイブリッドシステムにおいてカオス現象を抑制する制御法を提案した. ●混合セル写像で記述されるハイブリットシステムにおけるリアプノフの定理を証明した.さらに,複合ハイブリットシステムに対する多重リアプノフ関数による安定解析法を示した. ●複数のモデルあるいはモデルの集合により表現されたシステムを対象とする階層型制御系の構成法の開発を行なった.対象の不確かな変動パラメータの推定値に従って,時変パラメータを適応的に調整することにより,閉ループ系の応答が改善されることを示した.
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