研究課題/領域番号 |
09650486
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
計測・制御工学
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研究機関 | 慶応義塾大学 |
研究代表者 |
南谷 晴之 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (70051779)
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研究分担者 |
佐々木 敬介 千歳科学技術大学, 教授 (00051425)
二瓶 栄輔 慶應義塾大学, 理工学部, 講師 (10228257)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
1998年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1997年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 薄膜光導波路 / イオンセンサ / バイオセンサ / グルコースセンサ / エバネッセント光 / 可視光レーザ / イオノフォア / パイオセンサ |
研究概要 |
本研究では、広い濃度範囲の生化学物質やイオン量を僅少量で高感度に測定する薄膜光導波路型センサを理論的に検討するとともに最適設計したセンサを開発し、グルコース、コレステロール、酸化・還元へモグロン、Naイオン、Caイオンの濃度測定を可能にした。センサの基本構造は、3層からなるスラブ型薄膜光導波路であり、基盤層(クラッド層)にはパイレックスガラス(屈折率n=1.47)を用い、導波層(コア層)にRFスパッタリングした膜厚0.5〜3μmのコーニング7059ガラス(屈折率n=1.58)を用いたガラス薄膜導波路と高分子複合材料(PVC・PVA,n=1.51)をスピンコーティングした有機薄膜導波路の2種類を製作した。トップクラッド層は試料層と空気層からなり、試料層に生化学物質やイオン溶液を滴下させることにより、エバネッセント波の吸収にともなう出力光の変化を検出し、濃度測定を行うことができる。検出原理は、(1)試料層の生化学物質の分子やイオンそのものの特定波長に対する吸光特性を検出するもの、(2)試料に反応試薬(酵素)を作用させ、その物理化学的変化に伴う吸光特性を検出するもの、(3)導波層の高分子材料に選択性のあるイオノフォアと色素をドープして、特定のイオンが反応したときに起こる吸光特性の変化を検出するものの3種類である。酸化・還元へモグロンの検出には(1)の方法、グルコースとコレステロールの検出には(2)の方法、Na、KおよびCaイオンの検出には(3)の方法を利用している。従来のATR法では、光センシング素子の導波層からセンシング対象へ浸み出すエバネッセント波強度が、本質的に低いために十分なセンシング効率を得ることができなかったが、本センサでは光波とセンシング試料間の高い相互作用を達成することが可能であり、高感度化と測定レンジの拡大がはかれた。また、センシングの時間応答が指数関数特性を有することから、その過渡特性を利用して試料の濃度測定を短時間に行う方法を考案した。
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