研究概要 |
本研究は,制振効果および騒音低減効巣に優れた硬質ウレタン添加鋼床板を開発することを目的として,鋼床版における局部振動および放射音に対する硬質ウレタン添加の影響について検討したものである。研究成果の概要は以下の通りである。 1. 基本的な構造要素である鋼平板に硬質ウレタンを添加した鋼・硬質ウレタン複合板を対象に,室内衝撃実験を行い,硬質ウレタンの減衰定数を推定するとともに硬質ウレタンの厚さと制振効果の関係を明らかにした。また,有限帯板法と有限プリズム法を併用した離散化モデルによるシミュレーション解析を行い,解析手法の有効性を把握した。 2. 鋼・硬質ウレタン複合板について.固有振動解析,定常応答解析を行い,局部振動特性ならびに鋼・硬質ウレタン複合構造の制振メカニズムを明らかにした。さらに,複合板表面の振動速度のパワーを求めることにより放射音の低減効果についても明らかにした。 3. 硬質ウレタン添加プレートガーダーについて,固有振動解析を行い,硬質ウレタンの変形が卓越するモードの分析を中心にその特性を明らかにした。また,硬質ウレタンの材料定数の影響についても検討し,硬質ウレタン独自の変形が卓越するモードが生じる振動数を明確にした。 4. 硬質ウレタン充填鋼箱桁に移動荷重が作用する場合について動的応答解析を行い,硬質ウレタンとの複合化が応答倍率に与える影響について検討した。
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