研究課題/領域番号 |
09650555
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
地盤工学
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
大谷 順 熊本大学, 工学部, 助教授 (30203821)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
1998年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1997年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
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キーワード | 地盤の破壊 / 補強土 / 局所変形 / 模型実験 / 画像解析 / 可視化 / 支持力 / アルミ棒積層体 / アルミ某積層体 |
研究概要 |
本研究は,近年地盤工学の分野において、特にその需要が増えつつあるジオシンセテイックスを用いた補強土工法の支持力問題について、破壊現象の実験的追求と塑性論に立脚した数値解析により、その支持力機構および破壊メカニズムの微視的解明を試みている。またこの破壊メカニズムを考慮した支持力計算法を新たに提案しているところに大きな特色がある。 まず補強土基礎地盤の挙動を可能な限り微視的かつ視覚的に把握する目的で、アルミ棒積層体による模型地盤を用いた載荷試験装置を新たに開発し、これを用いた支持力実験を実施した。結果については、その荷重ー沈下関係に加えて、載荷重に伴う地盤の動きを逐次写真撮影し、これらをコンピューター上で画像解析することにより、地盤内の動きやひずみ分布および剛体回転量を求め、最終的に地盤内の局所変形や破壊メカニズム進展の微視的解明について述べた。 またこのような補強土地盤の支持力解析を目的として、破壊時の支持力のみならず、その破壊現象も解析結果として得ることが可能な剛塑性有限要素解析を実施した。ここでは、まず無補強地盤の解析結果を厳密解と比較検討することにより本解析手法の妥当性を確認している。 最終的には、これらの研究成果を実務に導入することを目的として、実験的に得られた新たな知見、すなわち補強土基礎地盤の破壊メカニズムに基づいた、極限解析の一つである上界計算手法を提案した。 現在の補強土工法の設計における支持力計算方法は、極限釣合い法に基づいているが、補強土地盤のような複合地盤の破壊メカニズムは導入されておらず、無補強地盤のメカニズムをそのまま用いており、得られた解の定量的評価が困難である。本研究の成果は、今後これらの設計手法が限界状態設計法に移行することも考慮した、より定量的かつ経済的な設計法の提案を示唆するものである。
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