研究概要 |
本研究では,広範な粒度を持つ砂礫河床や急勾配河床である山地河道における河床形態や粒径別流砂量に関して現地調査および室内実験を行うとともに,理論的考察を加えた.得られた結果を要約すると以下の通りである. 1 階段状河床の形成及び変形条件が過去の洪水履歴を使って水理学的に説明でき,破壊流量を推定すると数十年以上の確率の流量となった. 2 階段状河床の形態骨格は大出水時に石礫が活発に活動している状態で形成され,低水時に砂のみの選択的輸送によってその形態が明確になる. 3 山地河道に形成されている瀬や淵は上流からの流入砂礫の流入量の増加によって容易に消滅する. 4 混合砂礫河床では石礫の集合堆積部とその破壊が場所的・時間的に発生しているため,流砂量の時間変動は大きい. 5 混合砂礫河床における時間平均の粒径別流砂量は,均一砂の流砂量式において,各粒径に作用する掃流力と各粒径別限界掃流力の両方を補正することによって計算できる.
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