研究課題/領域番号 |
09650652
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
建築環境・設備
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研究機関 | 京都工芸繊維大学 |
研究代表者 |
新田 勝通 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 教授 (70026342)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1998年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1997年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
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キーワード | 火災時煙流 / 換気回路網モデル / 換気多様性 / カオス / 模型実験 / 可視化 / 数値計算 / 建物換気 / 火災 / 排煙経路 / 多様性 |
研究概要 |
建築火災により発生した煙の室、廊下、竪シャフトにおける流動が予測と反する状態となることは避難者の危険性に直結する問題である。同一形状、同一外気条件、同一発熱条件の下で、火災煙の流れが予期せぬ方向になり得るかどうかを防災計画の段階で認識することが必要である。 本研究は、火災時煙流の問題を通常の多数室換気の問題と同一なものと捉え、建物換気システムに潜在する多様性の検証を解析および実験の両面から行ったものである。 解析的には、換気システムを支配する方程式系が非線形であり、特に浮力項が変数となる場合、すなわち供給熱が設定され室温が未知の場合、複数実数解の存在およびその個数を示し、数値計算によって2〜3階建て建物のケーススタディを行い2〜5種類の多様性があることの具体例を示す。種々の物理要因の検討により、外気風速が換気多様性に最も影響が及ぶことを指摘する。 換気多様態の内、ある特定の流れの状態の生起すなわち生起頻度の予測は重要であるが、解析的には逐次計算の初期値に依存しいわゆるカオスの性質を具備していることを初めて示す。カオスを呈した具体例も図でもって示す。 最後に、換気回路網モデルによる換気多様性の存在について模型を用いて実験的に検証した。対称形3階建て建物の模型を用いて同一与条件の下で行った自然換気の実験で、(解析的には5個の多様性があるが)鏡像関係にある2種類の換気状態を出現させることができた。可視化手法による流れの観察も行い、解析と実測の多様性発生の違いの原因を探った。
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