研究課題/領域番号 |
09650661
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
都市計画・建築計画
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
菅野 實 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (10005366)
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研究分担者 |
坂口 大洋 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (70282118)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
1998年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1997年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 病院建築 / リニューアル / リニューアルヒストリーモデル / 集約型ブロックプラン / 多翼型ブロックプラン / 計画指針 |
研究概要 |
ほぼ1970年代に現代病院計画論をもとに竣工した全国45の公的病院を対象にリニューアル特性について考察した。(1)本研究により把握できたリニューアルの頻度を100病院・1経過年当たりに換算すると約40件、およそ2.5年に1件の割合で何らかのリニューアルが行なわれる。この数字は相当高く、成長・変化のリニューアル対応が、病院建築計画の重要な課題であることを改めて確認することができた。(2)時間軸でリニューアルの現れ方をみると、竣工後5年以内でのリニューアルは少なく、徐々に頻繁となり、10〜15年で最も頻度が高くなる。この時期にはほぼ2年に1度何らかのリニューアルが行なわれる。(3)15年以後においても頻度はやや低減するものの、設備の更新をはじめとする改築中心の頻繁なリニューアルが繰り返される。本体の残存する耐用年数と新たに増築する建物の耐用年数にギャップが大きくなることから、増築を手控える傾向にあり、むしろ改築によって本体建物の残存機能を高めることに比重がおかれる。(4)ブロックプランタイプによるリニューアル特性については、築後15年前後に訪れる設備配管の更新を、集約型の事例では、病院機能の維持とりわけ入院患者の在室したまま行なうことの困難に直面しており、一方、当初から将来の増改築に対応することで開発された多翼型などの分棟型の事例では、増改築の容易さが十分確認できた反面、病院各部が離れすぎて患者動線に不都合を生じているなど、問題の所在を具体的に把握することができた。(5)このような頻度の高いリニューアルは、敷地環境の悪化をもたらすことが多い点で共通している。増築の要請に応えられるに十分な敷地面積を確保しているケースはそう多くはなく、一方で駐車場の確保の要請も現実には一層強くなり、療養環境としての外部空間はどんどん貧困になっていく事態が明らかとなった。
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