研究概要 |
まちづくり学習は子どもにとっても,また大人にとっても2つの意味で重要性を帯びつつある。そのひとつは都市建築住宅サイドからのまちづくりであり,共に学びつつまちづくりを進めるこどが欠かせなくなってきたことである。もうひとつはまち空間及びまちづくりにおける学習の効用でおり,子どもも大人もまち(環境)によって様々な感性と感動を呼び起こされ,まちへの思いが大きく育まれることである。 対象のみつはま生活博物館を素材にしたまちづくり学習は,新たなパートナーシップ型まちづくりへと進む可能性を内包したものであり,本研究でも以下のことが確かめられた。 (1) 子どものまち空間認識の発達は,小学校低学年のまちなかの小自然の認識から始まり,中高学年では次第に多様なまち要素が分かり,中学生では連続性であるまちなみや働く人など,まちを構成している「モノ・コト・ヒト」へと順次進んでいく。 (2) 特に働く人やまちなみ、及びそれらに対する思いは,生活博物館活動やコミュニティ行事に積極的に参加している子どもたちに強く表れ,参加と学習の関連性が明確である。 (3) 生活博物館活動は,それ自体がまちづくり活動であると同時に、館長である主人と訪問者である客(含む子ども達たち)が相互交流品柄学び会うという極めてユニークなまちづくり活動である。今後,こうした子どもと大人,さらには学校と地域とのパートナーシップ型まちづくり学習とその活動の重要性が高まると思われる。 (4) これらの成果をもとに,また小中学生及び現場教師の意見やアイデアを採り入れつつ,生活博物館を素材にしたまちづくり学習ハンドブックを作成し,活用を試み,概ね好評を得た。
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