研究課題/領域番号 |
09650708
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
建築史・意匠
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研究機関 | 前橋工科大学 |
研究代表者 |
星 和彦 前橋工科大学, 工学部, 助教授 (70269299)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
1999年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1998年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1997年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 英国建築史 / 18世紀 / 新古典主義 / 建築理念 / オーダー / 建築書 / 比例 |
研究概要 |
英国18世紀後半の新古典主義期のオーダー表現の理念と実践に関して、建築表現と建築書の比較検討を踏まえ、本研究の研究期間全体にわたりえられた結果をまとめる。 (1)新古典主義期になると多様なオーダー表現が採られるようになる。この理念の基礎には、いまだイタリア・ルネサンスの建築書におけるオーダー理論があったが、その批判も含めたフランス17、18世紀のオーダー理論もしだいに重要性をおびるようになる。さらに、建築実務における有効性やオーダー表現に幅がありうるという認識については、フランスの影響がより明確となっていく。 (2)実務における表現の理念との差異は、英国ではすでに18世紀に入る頃から実例がみられた。新古典主義期におけるオーダー表現の広がりには理性的な建築理論の反映や参照対象の拡大化があったが、18世紀前半の場合、視覚的印象の効果をもっぱら求めた結果であるとみられる。しかし、表現的に半世紀以上先行するこうした実例は、ルネサンスに確立されたオーダー表現を建築家の創意により拡張していける可能性を示唆している。 (3)イタリア・ルネサンス期の古典的なオーダー表現は、イタリア・バロック期にすでに反する例があるものの、一般的ではない。フランスの17世紀ではオーダーの具体的な表現よりも、むしろ古典的比例論が批判された。一方、英国では、この批判がオーダー理論と表現で顕著に反映されるのは、18世紀中頃のことになるが、現実の表現をとおして、表現の多様性が認識されていた。
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