研究課題/領域番号 |
09650714
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
金属物性
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
宮崎 修一 筑波大学, 物質工学系, 教授 (50133038)
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研究分担者 |
石田 章 金属材料技術研究所, 主任研究官
野村 邦明 筑波大学, 大学院・工学研究科, 学振特別研究員
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
1998年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1997年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | Ti-Ni / Ti-Ni-Cu / Ti-Ni-Pd / 形状記憶合金 / 薄膜 / マイクロアクチュエータ / マイクロマシン / スパッタ法 |
研究概要 |
初年度では、Ti-Ni-Cu三元合金薄膜の作製、記憶処理および特性評価を以下のように行った。Ti-Ni-X三元合金薄膜を作製するためには、三元スパッタ装置を用いて行った。合金組成を制御し、Ti-Niに第3元素としてのCuの量を系統的に変えた薄膜を作製した。形状記憶処理は、真空熱処理炉を用いて、熱処理温度と処理時間を系統的に変えて形状記憶処理を行い、結晶化過程と形状記憶効果に及ぼす熱処理効果を調べる試料を作製した。次に、形状記憶特性の評価は、3つの方法で行った。まず、結晶構造変化は、変態特性と形状記憶特性を支配するため基本的に重要であり、広い範囲で測定温度を変えると共に薄膜専用の装置と定性定量分析機能を備えた高性能のX線回折装置での精密測定を行った。変態特性のうち変態温度と変態熱は、高感度示差走査熱量計で測定した。変形挙動は小型引張試験機を用いて行った。いずれの特性も温度に敏感なため、広範囲に温度を変えた系統的な測定を進めた。内部組織の観察は、透過型電子顕微鏡により行い、非平衡組織から平衡組織への変化を系統的に観察し、変態挙動と形状記憶特性との関連を明らかできた。 最終年度では、他の第3元素としてPdの効果を明らかにした。Pd添加は、変態温度を上げるのに効果があり、それによりアクチュエータの応答性を高めることが可能になった。実験の方法及び進め方は、初年度と基本的に同じである。以上の研究を通じて、各種組成と膜厚のTi-Ni-X(Cu,Pd)薄膜を作製すると共に、形状回復力、形状回復量、応答性等のアクチュエータ機能の多様化を薄膜において実現した。また、平衡相と非平衡相を含む内部組織の変態及び形状記憶特性への影響が明らかになった。
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