研究課題/領域番号 |
09650734
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
無機材料・物性
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研究機関 | 名古屋工業大学 |
研究代表者 |
野上 正行 名古屋工業大学, 工学部・材料工学科, 教授 (90198573)
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研究分担者 |
早川 知克 名古屋工業大学, 工学部, 助手 (00293746)
春日 敏宏 名古屋工業大学, 工学部, 助教授 (30233729)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
1998年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1997年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | ホールバーニング / ガラス / 希土類イオン / ゾル・ゲル / sol-gel |
研究概要 |
ゾル・ゲル法は溶融法では作ることのできないガラスでも、低温で作製することが可能であり、本研究では、ゾル・ゲル法による常温で永続的なスペクトルホールバーニングを示す希土類イオンドープガラスの創製とそのバーニング機構の解明に関する検討を行い、PSHBを示すSm^<2+>やEu^<3+>イオンをドープしたケイ酸塩ガラスの作成に初めて成功した。結果をまとめると、 1. SmやEuの化合物と、Si、Alのアルコキシドを原料にしたゾル・ゲル法によって、Sm^<3+>とEu^<3+>イオンをドープしたSiO_2およびAl_2O_3,-SiO_2系ガラスを作成した。とくにSm^<3+>ドーブガラスは水素ガス雰囲気下で加熱してSm^<2+>ドープガラスとした。 2. ガラスのPSHBは、Sm^<2+>とEu^<3+>イオンの^5D_0→^7F_2遷移発光に対する励起スペクトル(^7F_0→^5D_0遷移)上で行った。いずれのガラスででも、PSHBを観測することができた。ホール特性はたとえば77Kで、ホール深さと幅はいずれのガラスででも、ほぼ25%と2cm^<-1>であった。 3. Sm^<2+>ドープガラスでは、レーザ照射によるSm^<2+>のSm^<3+>へのイオン化と電子のトラッピングによってホールが形成される。 4. ゾル・ゲル法で作成したガラスのPSHB特性の特徴として、ホール深さは、ガラス中に含まれるOH基の量に依存し、OH基の増加とともに深くなることがわかった。 5. OH基を含むガラス中でのSm^<2+>とEu^<3+>イオンのPSHBは、希土類イオンに配位するOH結合のレーザ光照射による結合変化によるものである。 6. OH基結合の結合変化によって形成されるホールは、熱エネルギーで埋めもどされ、200K以上で消失した。 となり、得られた結果は、実用化ガラスの開発に向けたへ重要な手がかりになる。
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