研究課題/領域番号 |
09650745
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
複合材料・物性
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
坪川 紀夫 新潟大学, 工学部, 教授 (20018675)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1998年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1997年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | カーボンブラック / 表面グラフト化 / 結晶性ポリマー / 相互貫入網目 / ガス応答性 / 溶質応答性 / 濃度計 / 電気抵抗値 / 相互貫入綱目 / ポリマーの表面グラフト / ナノ複合体 / 電気抵抗 / ポリエチレン |
研究概要 |
本研究では、IPN法で合成したポリエチレン(PE)をグラフトしたカーボンブラック(CB)と、ポリ(ε-カプロラクトン)(PCL)との新規ナノ複合体の抵抗値の各種ガス応答性について検討した。さらに、PCL、ポリエチレングリコール(PEG)、およびポリエチレンアジペート(PEA)などの結晶性高分子をグラフトしたCBナノ複合体、の溶液中の溶質応答性について検討し、新規溶液センサーへの応用展開について検討を加えた。その結果、以下の成果が得られた。 1. CB粒子表面のカルボキシル基とPE、PCL、PEG、及びPEAなどの末端水酸基とを直接縮合させることにより、CB表面へ結晶性ポリマーがグラフトできることが分かった。このような結晶性ポリマーをグラフトしたCB抵抗体は、結晶性ポリマー中へ容易にしかも均一に分散し、新規のナノ複合体が合成できることが分かった。 2. PEをグラフトしたCBとPCLとの新規IPN型ナノ複合体が合成できることが分かった。この様なIPN型ナノ複合体には、ガス応答性や溶液中の溶質応答性は認められなかった。 3. 結晶性ポリマーから作製した複合体の電気抵抗値は、グラフト鎖の良溶媒を含むヘキサン中へ浸すと、著しく増大し、乾燥ヘキサン中へ戻すと初期抵抗値に戻ることが分かった。また、この様な複合体の溶質応答性は優れた再現性を示した。 4. この様な現象は、ヘキサン中の溶質(クロロホルム、トリクロロエタン、エタノール)が結晶性のポリマー中に拡散することにより、ポリマーの結晶構造に変化をもたらし、CB粒子相互の導電回路が切断され、抵抗値が増大したことによるものと考えた。 5. PCLをグラフトしたCBから作製した複合体の抵抗値の対数値とクロロホルム濃度との間には良い直線関係が認められ、この様な複合体は、ヘキサン中のクロロホルム濃度計として利用できることが明らかとなった。
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