研究課題/領域番号 |
09650750
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
複合材料・物性
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
河口 昭義 立命館大学, 理工学部, 教授 (80027060)
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研究分担者 |
赤木 和夫 筑波大学, 物質工学系, 教授 (20150964)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
1998年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1997年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 超高分子量ポリエチレン / 電導度 / ポリプロピレン / 混合体 / 電導度の異方性 / ゲル / ポリアセチレン / ヨウ素 / ドーピング / ポリエチレン / 導電性 / X線回折 / 電子顕微鏡 / 重合 |
研究概要 |
超高分子ポリエチレン(UHMWPE)を溶液から結晶化させゲル状にし、そのゲルの中にポリアセチレン(PA)を重合し混合物を作製した。そのゲルを鋳型に入れシート状に成型した。作製したままのシートの導電性はヨウ素をドープすることによって10^<-1>S/cmに達し、この値は、純粋のPAのそれよりずっと小さく、実用的な値には必ずしも達していないが、導電性の混合体を得たことで所期の目的は達成された。シートを延伸して延伸物を作製し、延伸方向の導電度(_<σ//>)と直角な方向の電導度(_<σγ>)を測定し、それぞれ10^<-6>S/cm、10^<-10>S/cmを得た。これらの絶対値は延伸する前の値より小さく、また、延伸することによって電導度の向上を期待したが、逆に延伸倍率を上げるに従って小さくなった。延伸を空気中で行っているため、PAが酸化され壊れたこと、延伸にともなってPAの連続性が壊れることがその主な原因と考えられる。前者については、不活性ガス中で延伸することで解決できるが、本研究の中では経費の面から行えなかった。研究課題には、ポリエチレンと書いてあるが、ここでは同属のポリオレフィンの一つであるポリプロピレンとPAの混合体を作製し、電導度を同様にして測定した。この試料では、_<σ//>、_<σγ>はそれぞれ10^<-5>S/cm、10^<-10>S/cmで、その比_<σ//>/_<σγ>は10^5にもなりUHMWPE/PA系よりも大きな値を得た。これらの試料の電導度の絶対値が低いことは問題であるが、比_<σ//>/_<σγ>が10^4にもなること本研究の成果である。これまで、このような電動度の高い異方性をもつ材料は無く、電動度そのものを上げることが出来れば、実用的な意味を持つものとなるであろうと期待される。本研究の最終目標は、混合体を電極に用いて界面重合を行うことであるが、現在までの材料では電動度が低くその目的には十分ではない。更なる改良のため研究の継続を予定している。
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