研究課題/領域番号 |
09650762
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
構造・機能材料
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
大崎 修平 山口大学, 工学部, 教授 (00035049)
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研究分担者 |
上西 研 山口大学, 工学部, 助教授 (50177581)
飯野 牧夫 山口大学, 工学部, 教授 (20253164)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
1999年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1998年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1997年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
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キーワード | アルミニウム合金 / 応力腐食割れ / 微細結晶粒 / 粒界 / き裂先端塑性域 / 水素脱化 / 負荷モード / 析出 / 水素脆化 |
研究概要 |
構造用材料はつねに強度・靱性・環境強度の三者の組合せを考慮し、その最適化を図る必要がある。高強度アルミニウム合金の応力腐食割れ(SCC)に及ぼす結晶粒微細化の果たす役割の本質を解明する上で、先ず、結晶粒形態とSCCの関係を調べた。すなわち、7075-および7175-T6合金の実用厚肉展伸材におけるSCCに及ぼす結晶粒組織の異方性と負荷モードの影響を調べた結果、本合金の粒界SCC過程は水素ぜい化HEが支配し、それはき裂先端塑性域の形成、転位による水素の粒内輸送、粒界での水素トラップ、高静水圧応力場への高速粒界拡散、の素過程から成ると考えられ、したがって結晶粒のサイズと粒界の配向がSCCの支配要因であると理解された。 そこでさらに、結晶粒径を14(微細)、35(中間)および110μm(粗大)の3段階に変化させた7475-T6合金シート材(それぞれ、A、B、C材と表記する)についてSCC試験を行い、平滑試験片および予き裂試験片におけるSCC応答を調べた。その結果、(1)A、BおよびCの機械的特性として、引張強度、破壊靱性値はほぼ同等であった。(2)平滑試験片のSCC破断寿命は材料A<B<Cの順に長時間となった。(3)予き裂試験片においても、SCCの発生時間および破断時間は材料A<B<Cの順に長時間となった。また、SCCの下限界しきい応力拡大係数K_<ISCC>もA<B<Cの順に高くなった。(4)弾塑性有限要素法によるき裂先端の応力場解析を行い、塑性域サイズおよび静水圧応力分布を明らかにした。(5)SCCき裂の発生は1結晶粒サイズを特性距離とする粒界水素ぜい化割れであることが明らかになった。 以上のことは、強度・靱性・耐SCC性の組合せを最適化するための結晶粒組織制御指針を与え、調質条件と併せて合金開発を図る必要性を明示した。
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