研究概要 |
1. 実験手法(結晶粒投影法)の提供と実験(研究代表者&研究分担者) 高エネルギー加速器研究機構の実験設備の借用が平成10年9月まで認められ,ビームラインBL-3Aにおいて結晶粒投影法のセットアップを行い、Mg添加の影響の常温測定,高純度AIの再結晶後粒成長過程の高温測定を行った。 2. アルミ合金の実験材料製作(研究分担者) 高純度AIにMgをO〜10重量%添加した熱間圧延板を、再加熱後、厚さ0.5mmまで冷間圧延を行った後、切り出して試験片を製作した。一部の試験片はさらに熱処理を行った. 3. データ定量解析法の研究(研究代表者) パソコン(Gateway,G6-266)、データ処理ソフト(理学電機(株)製CONTROL-WIN),画像処理ソフト(米国 MEDIA CYBERNETICS社製,IMAGE-PRO PLUS)を購入し,BMP方式によるデータ処理ソフトから画像処理ソフトへの画像データ転送を可能にした.結晶粒数については15μmの粒径において,正確に計数できることを標準粉末で確認した.粒の大きさ(粒サイズ)については,15μmの粒径の標準粉末を用い,データのバラツキが大きいが,半定量性があることを確認した. 4. 添加合金の影響の解析(研究代表者&研究分担者) Mg量が6〜7%の範囲ではAI-5%Mg合金と同様でND-rotated cubeが主方位であるが,Mg量が〜9%の試料では立方体方位に由来するパターンを示した.高純度A1の再結晶後粒成長過程の高温解析を行い,高温での等温保持により結晶粒が消滅,微小粒化,サイズがほぼ一定で経過する状況を確認した.このように高温での個々の結晶粒のサイズに対応したX線積分強度の変化が動的に観察できた. 5. 今後,粒の歪み解析,結晶粒サイズ別の極点図の作成法の検討を行う.
|