研究課題/領域番号 |
09650805
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
金属生産工学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
こまろふ せるげい (コマロフ セルゲイ) 名古屋大学, 工学研究科, 助教授 (20252257)
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研究分担者 |
桑原 守 名古屋大学, 工学研究科, 助教授 (70023273)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
1998年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1997年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | ダスト / 音波 / 音場 / コロナチャージ / 電場 / 粒子 / 凝集 / 脱炭 / 静電気 / ダスト濃度 / 帯電粒子 / 粒子凝集 / 軟化点 |
研究概要 |
本研究では、音波による粒子凝集の現象を実験的かつ理論的に調査した。粒子凝集のメカニズムを、粒子衝突と粒子付着に着目し検討した。実験は室温と1,300℃の高温下で行った。室温実験で、大粒子(Fe:75〜90μm)と小粒子(Mo:平均径7.26μm,Fe_2O_3:平均径14.29μm)を使用した。それぞれの粒子はコロナチャージャーを使って大粒子は負、小粒子は正に帯電させた。帯電流子は定在音波が形成されている容器中に注入し、スライドガラス上に採取した。次に、光学顕微鏡を使って粒子径分布を解析した。高温実験では、Ar-O_2混合ガスを抵抗炉中の鉄浴(C:4.2wt%)表面に吹き付けた。同時に、音波を気相中を通って浴表面に伝播させた。脱炭反応中に発生するダストを石英板かMo板を使ってサンプリングし、SEMによる分析を行った。音波はスピーカー(1,3または6個)か1個の圧電式振動子を使って発生させた。使用した周波数範囲は120〜20776Hzである。最大入力電力は70W(スピーカー6個の場合)と100W(圧電振動子の場合)である。 結果は次のようになる。粒子には音波や電場を適用しなくても凝集効果がある。Fe-Mo系の場合、低周波(120〜270Hz)では凝集粒子が分解される。一方、300Hz以上の音波を照射した場合には、粒子凝集が促進される。よって、周波数と強度が大きくなると音波凝集の効果が促進されることが分かった。高温系の実験でも同じ傾向が見られた。一般に、帯電をさせた粒子のほうが凝集効果が大きい。このことは特にFe-Mo系で顕著であった。 実験結果を解析する際、2つの理論的考察を行った。1つ目は粒子衝突理論を補足した力学理論であり、低〜中周波での粒子挙動をうまく説明できる。2つ目は放射圧の理論であり、高周波域での音波効果を合理的に説明できる。粒子が異符号に帯電することで互いの引力が増加する。この効果は非常に小さいので、慣性力や放射圧が無視できるほど粒子同士が互いに接近する時のみ重要となると考察される。
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