研究概要 |
本研究は,通常の熱反応では分解が困難なPCBおよびダイオキシン類の処理方法について実験的に検討し,その処理指針を提供することを試みた。PCBは,ヘドロ中に存在するものや緑色オイル中に存在し貯蔵されいてるものなどがあると推定されたが、,ここでは,後者を対象とした。すなわち,反応は二酸化チタン光触媒とPCBあるいはダイオキシン類が存在する系とし,さらに光触媒反応を効率よく進行させるための水と酸素を加えた系を対象に行った。その結果,以下のことが明らかになった。 1)太陽光によるPCB分解実験を行ったところ,二酸化チタン微粒子光触媒を添加することにより,光照射開始40時間程度でほぼ100%分解したことから,二酸化チタン光触媒による酸化作用がPCBの分解処理に有効であることが明かとなった。 2)内部照射型回分光反応器に用いてPCBの分解について実験的検討を行った結果,系内に酸素ガスを供給することにより反応が促進されることが明らかとなった。 3)二酸化チタン薄膜光触媒を用いた循環式回分型光反応装置によりPCBの分解について検討を行った結果,種々のPCB異性体分解/生成反応が起こっていること,および12時間の光照射でPCBの脱塩素化率が約35%に達することが明らかになった。 4)二酸化チタン薄膜を用いて平板型循環式回分光反応器によるダイオキシン類の分解を行ったところ,光照射時間が24時間でタイオキシン類を79%分解することができ,76%脱塩素化することができた。
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