研究課題/領域番号 |
09650859
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
触媒・化学プロセス
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
中川 浩行 京都大学, 工学研究科, 助手 (40263115)
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研究分担者 |
三浦 孝一 京都大学, 工学研究科, 教授 (40111942)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
1998年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1997年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 高温脱硫 / マクロポーラスCaO / 事前脱硫 / H_2Sの除去 / マクロポーラス脱硫剤 / 石灰石 |
研究概要 |
ガス化複合発電、トッピングサイクル発電などの高効率発電の効率向上に不可欠なH_2S、SO_2などの硫黄化合物の高度脱硫を達成するには、石炭の事前脱硫と高温脱硫を組み合わせたシステムが必要であるという観点から、大別して以下の2項目に重点をおいて研究を実施した。 (1) マクロポーラスCaO粒子の新規調製法の開発とそのH2S除去特性 (2) 石炭の熱分解・燃焼に伴う硫黄発生挙動と事前処理法の検討 その結果、(1)に関しては、石灰石を10μm程度に微粉砕し、水蒸気中で900℃まで昇温・シンタリングする方法、CaOあるいはCa(OH)_2-水スラリーを加熱焼成する方法によって、800mm程度のマクロ孔を有する1mm程度のCaO粒子を調製することに成功した。次に、調製した脱硫剤の脱硫性能を検討するため、H_2SあるいはSO_2の除去速度及び脱硫剤利用率を測定した。その結果、これまで使用されてきた1mmの石灰石を焼成して得られた既存の脱硫剤と比較して、数十倍のH_2S脱硫速度を示すとともに利用率が1に達することを見いだし、本法で調製したマクロポーラス脱硫剤が非常に高性能であることを確認した。 一方、(2)に関しては、褐炭などの低品位炭の前処理法としては、H_2O_2による液相酸化処理とCaあるいはFeのイオン交換担持処理とを組み合わせた方法が有効であることを明らかにした。提案した前処理法によって、褐炭中の各種含有形態の硫黄化合物はスルフォキシド、スルフォン、スルフォン酸などのように低温から分解しやすい形態に変化する。同時に、H_2O_2処理によって生成したカルボキシル基がCaの担持サイトとなりCa担持量が増加する。これらの効果が相重なって、熱分解持に低温で発生する硫黄をCaOの形で捕捉し、硫黄の発生を大きく抑制できることが示された。 今後、事前処理-高温脱硫の最適な組み合わせについて詳細に検討していく予定である。
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