研究課題/領域番号 |
09650868
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物・生体工学
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
早出 広司 東京農工大学, 工学部, 助教授 (10187883)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
1998年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1997年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 人工共生系 / バイオレメディエーション / 藍藻 / Flavobacterium / Anabaena / ホスホトリエステラーゼ / 有機リン系殺虫剤 / メタロチオネイン / 独立栄養 / 従属栄養 / 大腸菌 / シアノファージ |
研究概要 |
本研究では、藍藻を従属栄養生物に対するエネルギー供給源・従属栄養生物を環境浄化者と位置づけた人工共生系を構築し、それをバイオレメディエーションに応用することを目的とした。平成9年度は藍藻Anabaena sp.と大腸菌とから構成される人工共生系モデルを構築し、人工共生系の基礎的な形態を構築することができた。本年度はまず、藍藻Anabaena sp.とFlavobacterium sp.とから構成される農薬バイオレメディエーション人工共生系について検討した。バイオレメディエーション系を構築することを目的として、有機リン系殺虫剤分解能力を有するFlavobacterium sp.を従属栄養細菌として用いた人工共生系を構築した。Flavobacterium sp.は細胞内に有機リン系殺虫剤を加水分解する酵素、ホスホトリエステラーゼ(PTE)を保有する。回分培養系においては藍藻培養上清を用いることで、Flavobacterium sp.が良好に増殖し、PTEを発現できることが明かとなった。そこで藍藻Anabaena sp.とFlavobacterium sp.とから構成される農薬バイオレメディエーション人工共生系を疑似連続培養系で検討したところ、高い農薬分解活性が維持され、その結果としてモデル農薬として用いたフェニトロチオンが連続的に分解できることが示された。本成果により本研究の目的である藍藻を従属栄養生物に対するエネルギー供給源・従属栄養生物を環境浄化者と位置づけた人工共生系の構築とそのバイオレメディエーションへの応用が達成された。さらに、海洋藍藻に重金属耐性を遺伝子操作技術により付与し、今後のバイオレメディエーション系構築のための基礎技術を提供した。すなわち、海洋藍藻にメタロチオネイン遺伝子を挿入/発現させることで海洋藍藻に重金属耐性を付与させることに成功した。 以上のように、本研究では藍藻を従属栄養生物に対するエネルギー供給源・従属栄養生物を環境浄化者と位置づけた人工共生系を構築し、それをバイオレメディエーションに応用することに成功した。また、今後のバイオレメディエーションに応用する重金属耐性を有する藍藻の作出方法についても提案することができた。本研究の成果は今後の環境浄化技術に対してきわめて重要な知見を提供するものと確信する。
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