研究課題/領域番号 |
09650876
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物・生体工学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
宮本 和久 大阪大学, 薬学研究科, 教授 (30028849)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1998年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1997年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 微細藻類 / バイオマス / 微生物共生体 / 水素 / 光合成細菌 / デンプン |
研究概要 |
微生物共生体の機能を利用した藻体バイオマスの水素への変換システムの構築を目的として研究を行い、以下に示す成果を得た。 (1) デンプンから直接水素を生産できる微生物共生体の選抜 海水環境由来の微生物群の中から、デンプンから直接水素を生産することができる微生物共生体を選抜することに成功した。 (2) 微生物共生体からのデンプン分解能を担う細菌および水素生産を担う細菌の単離 得られた共生体を構成する微生物を単離し、16S rRNA配列の解析により共生体が3種の異なった細菌によって構成されることを明らかにした。これらの株のデンプン分解能や水素生産能を調べ、デンプンを分解・基質化する株と、デンプン分解物から水素を生産する株を特定した。 (3) 微生物混合系を用いたデンプンからの水素生産 既知の乳酸菌と光合成細菌からなる混合培養系によって、先の微生物共生体よりも高いデンプンを基質とする水素生産量が得られた。さらに、pH、光照射、培地成分、構成菌の比率などの条件の最適化を行い、デンプンからの水素への高い変換率および変換速度を得た。また、3%の塩化ナトリウム存在下でもこの混合系の高い水素生産能は維持された。 (4) 藻体バイオマスからの水素生産 上記のような知見をもとに、実際にデンプンを主な光合成産物とする微細藻類を原料とした水素生産を試みた結果、淡水性緑藻および海産性緑藻において、藻体デンプンから水素への高い変換率が得られた。 以上の検討から、微生物共生体の機能を利用することにより、二酸化炭素固定により藻体バイオマス中に蓄積されるデンプンを効率よく水素へ変換できることが示された。また、これらのシステムは安価な海水を基本培地として利用できることから、低コストで運用することが可能であると考えられる。
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