研究課題/領域番号 |
09650905
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
工業物理化学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
今中 信人 大阪大学, 大学院・工学研究科, 講師 (30192503)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1998年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1997年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | アンモニア / 固体電解質 / ガレート / ガリウム / センサ / アンモニウム |
研究概要 |
有毒ガスの一種であるアンモニアは製造工場、アンモニアを冷媒として用いる冷凍倉庫、糞尿と共に排出される養鶏場などで発生し、このような場所ではアンモニア濃度を正確に測定できなければならず、これまでに作製されている半導体式アンモニアセンサでは定量的かつ、高選択的に測定することが困難である。本研究では、固体電解質型センサの高選択性に着目し、固体電解質にNH_4^+-Ga_2O_3を、固体参照極としてPr_2(SO_4)_3・(NH_4)_2SO_4を用いたアンモニアセンサを作製し、その検出特性並びにアンモニア検出に及ぼす雑ガスの影響を調べた。 固体電解質にNH_4^+-Ca_2O_3を、固体参照極にPr_2(SO_4)_3・(NH_4)_2SO_4を用いたセンサはアンモニアガスの許容濃度である25ppmを含む6〜200ppmの広い濃度範囲でNernst式に従う良好な応答を示すことがわかった。さらに、90%応答に要する時間は1分と迅速であり、可逆的な応答を示すことが明かとなった。また、空気中に必ず存在し、雑ガスとして最も懸念される水蒸気の影響を調べたところ、水蒸気濃度の変化に対して、30vol%の水蒸気が共存している条件下でもセンサ出力に変化が見られなかった。さらに、二酸化炭素、窒素酸化物中の主物質である一酸化窒素および二酸化窒素の影響を調べたところ、これら雑ガスの影響も全く受けないことが明かとなった。ところで、ガスセンサはその用途上、長期安定性も必要となる。そこで、このセンサのセンサ出力の経時変化を調べたところ、100日以上経過してもその出力は安定していた。 以上のことから、固体電解質にNH_4^+-Ca_2O_3を、固体参照極として一定のNH_3分圧を発生し、かつ無水物となるPr_2(SO_4)_3・(NH_4)_2SO_4を用いたアンモニアセンサは雑ガスとして最も懸念される水蒸気をはじめとする種々の雑ガスの影響を受けず、アンモニアのみを迅速にかつ高選択的に検出でき、長期安定性も有していることが明かとなった。
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