研究課題/領域番号 |
09650910
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
工業物理化学
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
小槻 勉 大阪市立大学, 工学部, 教授 (40116439)
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研究分担者 |
澤井 圭二郎 大阪市立大学, 工学部, 助教授 (50206017)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
1998年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1997年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | シリケートガラス / 固体電気化学 / インサーション材料 / レドックス反応 / リチウム電池 / insertion material / solid-state redox reaction |
研究概要 |
ガラス絶縁体の中に原子状あるいは金属クラスター状にナノ分散させた鉛・錫は、古くから装飾用のグラスなどに見られる。このガラスをリチウム塩を含む非プロトン性有機溶媒中で電極として用いると意外にも容易に還元される。本研究では、この現象を追跡する為の可視化の手法を種々検討し、固体電気化学の新たな研究対象となりうるアニオンの固相レドックス反応の存在およびそのレドックス準位の測定を試みると共に、構築した手法を用いて有用機能の探索を行った。以下にその要約を述べる。 (1) 鉛シリケートガラスおよび錫シリケートガラスの電解還元・酸化過程の色調変化、脆性破壊、体積変化などの一次情報を可視化する目的で、各々デジタル(オプティカル)マイクロスコピー、アコーステックエミッシオンヒストメトリー、ダイレイトメトリーの各手法に必要な装置を試作、改良することによりこれらの測定手法を確立した。 (2) これらの試作装置を用いた測定法および電気化学測定法から得られた情報によって、シリケートガラスおよびボレート系ガラス中にナノ分散した鉛、錫、ビスマスは、アニオンレドックス中心として働き、この電解還元時に、異常な体積膨張を伴う脆性破壊が認められることを明らかにした。また、これを制御する可能性を検討した。 (3) これらの手法を一連のリチウムイオン含有遷移金属酸化物系インサーション材料にも適用し、これらの情報さらにはインピーダンス挙動の解明結果から固相レドックス準位を決定した。また、鉛、錫、ビスマスなどのアニオンを主体とするレドックス反応は、ガラス固有の遅延破壊現象を解明、制御することによってリチウムイオン蓄電池の負極材料として用いることができることを明らかにした。 以上の成果は、学術論文8編にまとめて公表した。
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