配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
1999年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1998年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1997年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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研究概要 |
安定化ジルコニアに代わる固体電解材料として希土類固溶セリアを取り上げ、粉体合成、合成粉体の焼結性、焼結体の電気的、力学的、熱的性質を検討した。硝酸セリウムと希土類元素の硝酸塩を原料とし、希土類元素を20mo1%含む混合水溶液(0.2M)をシュウ酸水溶液(0.4M)へ滴下する、シュウ酸塩共沈法で希土類の固溶したシュウ酸セリウムが得られた。生成したシュウ酸塩を空気中、600℃で熱分解し希土類固溶セリア粉体(Ce0.8R0.2O1.9,R=Yb,Y,Gd,Sm,Nd,La)を得た。シュウ酸塩および酸化物の粒径はシュウ酸塩濃度0.4Mで極小となった。希土類固溶セリアの一次粒子は24-63nmであった。乾式成形後、1600℃で焼成すると相対密度98%以上に緻密化した。焼結体のメディアン径は4.7〜7.6μmで、添加した希土類元素のイオン半径が大きいと大きくなった。いずれの希土類元素も粒子内に均一に固溶していること、粒界に非晶質あるいは第2相は存在しないことが確認され、イオン電導体として好ましい組織であることがわかった。焼結体の800℃での電導度は6.7〜14.0S・m^<-1>で、固溶した希土類イオンの影響は小さかった。酸素イオンの拡散の活性化エネルギーはイオン半径の小さいY、Ybの固溶体では大きく、Gd、Sm、Nd、Laの固溶体では小さくなった。電導度から計算した酸素イオンの自己拡散係数とトレーサー法の実測値は、Yを除きよく一致し、電気伝導が酸素イオンの拡散によることが示された。湿式成形後、1600℃で焼結したSm固溶セリア(相対密度98.8%)のヤング率は158-178GPa、4点曲げ強度は53-81MPaでワイブル係数は9.1であった。CeO2の熱膨張係数(25-900℃)は11.8x10^<-6>K、希度類固溶セリアでは11.4-12.2x10^<-6>Kであり、両者の値は近いものであった。
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