研究課題/領域番号 |
09650935
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
有機工業化学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
桑野 良一 京都大学, 工学研究科, 助手 (20273477)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1998年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 触媒的不斉合成 / α-アミノ酸 / β-ヒドロキシ-α-アミノ酸 / α, β-ジアミノ酸 / ピペラジン-2-カルボン酸 / 光学活性化合物 / ロジウム触媒 / 不斉ジホスフィン配位子 / 不斉水素化 / α,β-ジアミノ酸 / 不斉アリル化 / パラジウム触媒 / 四級不斉炭素 / 不斉水素化反応 / ロジウム / 不斉配位子 |
研究概要 |
β位にヘテロ官能基を持つ光学活性α-アミノ酸は数多くの生理活性ペプチド類の構成要素としてのみならず、有用化合物の合成におけるキラルビルディングブロックとしても重要であり、その効率の良い合成法の開発が望まれている。本研究では、原理的に微量の光学活性源から無限大量の光学活性化合物が供給可能な触媒的不斉合成法による光学活性β-ヘテロ-α-アミノ酸の合成を検討した。その主な成果は以下に示すとおりである。 1. β-ヘテロ-α-アセトアミドアクリル酸エステルの立体選択的合成 β位に種々のへテロ官能基を持つα-アセトアミドアクリル酸エステルを対応するα-アセトアミド-β-ケトエステルから合成した。また、これらの2つの幾何異性体をそれぞれ完璧な立体選択性で作り分けることに成功した。 2. β-へテロ-α-アセトアミドアクリル酸エステルの触媒的不斉水素化 申請者等の開発した遷移金属に対しトランスでキレート配位するユニークな不斉2座ジホスフィン配位子TRAPのロジウム錯体を触媒として、上記で合成したβ-ヘテロ-α-アセトアミドアクリル酸エステルや水素化反応を試みたところ、最高97%eeの鏡像異性体過剰率で保護光学活性保護β-ヘテロ-α-アミノ酸が得られた。E体の基質からはトレオ体の、Z体の基質からはエリトロ体の保護β-へテロ-α-アミノ酸が立体特異的かつ高エナンチオ選択的に得られた。 3. 環状β-ヘテロ-α-アミノ酸の触媒的不斉合成 先に述べたTRAP-ロジウム錯体触媒をテトラヒドロピラジン-2-カルボン酸アミドの触媒的不斉水素化反応に応用したところ、最高97%eeで(S)-ピペラジン-2-カルボン酸第三ブチルアミドが得られた。本化合物はHIVプロテアーゼ阻害剤Crixivanの合成中間体として重要である。また、同じ立体化学の不斉触媒から両エナンチオマーの作りわけに成功した。
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