研究課題/領域番号 |
09650946
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
合成化学
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研究機関 | 岩手大学 |
研究代表者 |
滝川 雄治 岩手大学, 工学部, 教授 (00003848)
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研究分担者 |
青柳 重信 岩手大学, 工学部, 助手 (90271840)
嶋田 和明 岩手大学, 工学部, 助教授 (10142887)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
1998年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1997年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | ジカルコゲナジアゾシン / ジカルコゲナゾリジン / 酸化反応 / 渡環作用 / 環状ポリカルコゲニド / ジカチオン / ペンタチアゾシン / 渡環反応 / 環縮小反応 |
研究概要 |
2H、6H-テトラヒドロ-1、5、3、7-ジカルコゲナジアゾシンは1、5一位のカルコゲン原子が隣接した構造を有していることに着目し、酸化剤の作用による渡環反応を伴ったジカチオンの形成とその化学反応を検討したものである。1、5、3、7-ジセレナジアゾシン1bに対するNBSやmCPBAなどの酸化剤の作用では、渡環反応を経て3H-ジヒドロ-1、2、4-ジセレナゾリジンを好収率で生成することを既に報告している。本研究では、同族元素である硫黄やテルル体に対する酸化剤の検討を行い、これら1、5、3、7-ジカルコゲナジアゾシンの化学反応性と構造の関係を明かにすることを目的としている。 硫黄体である2H、6H-テトラヒドロ-1、5、3、7-ジチアジアゾシンと臭素との反応では、相当する3H-ジヒドロ-1、2、4-ジチアゾリジンは全く生成せず、主生成物は予想外の6H-ジヒドロ-1、2、3、4、5、7-ペンタチアゾシンであった。この系に単体硫黄を添加するとその収率は著しく向上した。また、酸化的性質を有する硫黄化試剤である塩化硫黄との反応ではその収率は向上した。 一方、テルル体である2H、6H-テトラヒドロ-1、5、3、7-ジテルラジアゾシンは酸化剤の作用により、容易にセレン体と同様の化合物である3H-ジヒドロ-1、2、4-テルラゾリジンを好収率で与えた。 セレン体、テルル体が渡環相互作用によるジカチオンの形成を経て、3H-ジヒドロ-1、2、4-カルコゲナゾリジンを生成することを示唆しており、この結果は2H、6H-テトラヒドロ-1、5、3、7-ジカルコゲナジアゾシンのX線結晶構造解析から予測されたカルコゲン原子間距離が相互作用可能な位置関係にあることと一致している。また、硫黄体の場合、硫黄原子間距離は比較的遠い位置にあり、段階的反応を経て、6H-ジヒドロ-1、2、3、4、5、7-ペンタチアゾシンを生成すると推定された。
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