研究課題/領域番号 |
09650977
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
高分子合成
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
伊藤 恵啓 信州大学, 繊維学部, 助教授 (70151553)
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研究分担者 |
阿部 康次 信州大学, 繊維学部, 教授 (00126658)
小嶋 政信 信州大学, 農学部, 助教授 (20153538)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
1998年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1997年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
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キーワード | ベンジル / 光分解性ポリマー / 光分解 / 光分解機構 / 界面活性剤 / 紫外光 / ベンジル基 |
研究概要 |
紫外光で効率良く分解し、かつ容易に既存ポリマーや界面活性剤に導入できる光分解性官能基の探索を目的として、種々のベンジルエステル誘導体及びそれらを有するポリマーを合成した.これらエステルの光分解反応を調べ以下のことを明らかにした: 1. メチル基、メトキシ基等の置換基を導入したナフチルメチルおよびベンジルエステルのメタノール中における光分解生成物をGC等により分析し、両エステルの共通点、相違点を明らかにした.特に、エステル結合のまわりの立体障害が大きくなると分解率は低下するが生成物分布をある程度制御できること、ベンゼン環にメトキシ基を導入すると分解率、生成物の選択性が共に大きく向上することを見出した. 2. ベンジル基を側鎖に含むポリマーの溶液中での光反応では、ナフチル系ポリマーとは対照的に、エステル基を少量しか含まないポリマーにおいても側鎖エステルの分解だけでなく主鎖切断が効率よく起こること、分解生成物が低分子系と大きく異なることがわかった.一方、溶媒からのキャストフィルムの分解性は著しく低下した.そこで、分解性の向上を目指して、共重合組成の異なるポリマー、種々のモノマーとの共重合体を比較検討した結果、主鎖切断効率が側鎖エステル構造よりは主鎖構造に大きく依存すること、構造の制御によってキャストフィルムでの分解を促進できることがわかった. 3. ベンジルアンモニウム構造を有する界面活性剤、ポリマーがメタノール及び水中で高い光分解性を示した.そこで、芳香族ハロゲン化物の共存下での光反応を検討した結果、界面活性分子ではハロゲン化物を有効に濃縮するため効率よく誘発分解することを見出した. 以上、低分子モデルおよびポリマーの光分解反応を検討し、分解反応の制御に関して多くの知見を得た.材料としての物性面の評価と共に分解性能のさらなる向上を図ることが今後の課題である.
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