研究課題/領域番号 |
09651011
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
船舶工学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
烏野 慶一 北海道大学, 水産学部, 教授 (80031467)
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研究分担者 |
前川 和義 北海道大学, 水産学部, 助手 (80250504)
蛇沼 俊二 北海道大学, 水産学部, 助教授 (30187588)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
1999年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1998年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1997年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 操縦性流体力 / 拘束模型試験 / 過渡特性 / 拘束曳航試験 |
研究概要 |
現在、船舶の設計段階で操縦性能を精度良く推定する必要性が生じている。このために流体力を実験的に求めるには大規模な試験設備と多くの実験工数を必要とする。本研究は実験の省力化をはかる事を目的として、研究代表者らが開発した小型CMT装置を用いて停止から定常状態にいたるまでの流体力変化を計測し、短時間の計測時間で得られる過渡的なデータから性能推定に必要な資料を得る手法を検討した。まず操縦運動時の流体力解析に不可欠な付加質量を容易に得るための物理実験手法とその結果に基づいたチャート図の作成、さらに物理実験を伴わない数値計算手法を開発した。次に船舶の運動状態に応じた船体流体力変化の推定を可能にした物理的成分分離型の数学モデルを開発した。またこれらの研究と並行して数種類の形状を持つ模型船を使用した斜航試験を実施した。これらは流体力の過渡的な変化を把握するために行ったものであり、模型試験で得られたデータを成分分離型数学モデルで解析し、運動時に作用する流体力を構成する各流体力成分(理想流体力,粘性揚力,クロスフロー抗力等)の変化を考察した。その結果、次のことが明らかとなった。1.停止状態から加速運動を行っている区間の粘性に起因する過渡特性は主としてクロスフロー抗力によるものである。クロスフロー抗力は定速運動にいたった後では矩形の横断面をもつ船型では比較的速やかに定常値へと達する。一方、実用船型では定常値に達するまでに時間を要する。2.粘性揚力は船尾よりも船首において過渡影響が大きく現れるが、その影響は全流体力に比べればわずかな値である。3.以上のことから過渡流体力によって定常流体力の大略の推定は可能であると思われる。なお、粘性流体力の大部分を占めるクロスフロー抗力の推定精度について今後さらに検討が必要である。
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