研究概要 |
表面(地面)効果内で安定性に優れたS字キャンバーを持つ厚さの無い断面形で、縦横比が0.625の端板を持つ翼の揚力,抗力,ピッチングモーメントを低高度漸近理論によって求めた。この空気力学的特性に基づいて、通常の航空機工学で用いられる性能計算法によって、巡航速度,航続距離,静的縦安定性,必要馬力,燃料消費率といった性能を求めた。最後に、これらのデータに基づいて、全長40mの全翼形式表面効果翼艇の福岡-釜山間および新潟-ウラジオストック間における直接運行費を試算した。結果は、この2区間において、現存する、あるいは現在可能と考えられる全ての輸送機関に対し、表面効果翼艇の経済的優位性を示している。この結果の一部は、1997年7月にシドニーで開催された第4回国際高速海上輸送会議において発表した。 引き続き、表面(地面)効果内で安定性に優れたS字キャンバーを持つ有限厚さの2次元翼のコンピュータ・シミュレーションを実施した。この結果は、1998年6月にシドニーで開催された国際ワークショップと日本造船学会誌に発表した。
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