研究課題/領域番号 |
09660005
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
育種学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
北野 英己 名古屋大学, 農学部, 助教授 (50144184)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1998年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1997年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | イネ / 胚発生 / 胚乳 / 突然変異 / 巨大胚 / 種子形成 / 粒大 |
研究概要 |
イネ種子を構成する主要な器官である胚と胚乳は、種子形成過程でその大きさ、形態、両器官の配置等が厳密に制御されている また、通常、我々が食用とする部分は胚乳であり、胚芽の部分は精米過程で取り除かれる しかし、胚は次世代の個体を育成する必須の器官であることから、種子生産における胚と胚乳の形成過程を遺伝的に制御することは育種上極めて重要である そこで、本研究では、胚のサイズに関わる突然変異体を用いてこれら変異体の解析を通して胚と胚乳の形成過程における相互作用性について検討した まず、粒形、粒大の異なる品種の胚と胚乳の重量比を用いて胚のサイズを比較したところ、正常品種の胚乳に対する胚の割合は2〜3%の範囲に分布したのに対し、巨大胚変異体系統では6〜7%、小胚、無胚性突然変異系統では1〜0%であった 胚のサイズに関し、このような両方向の変異を示す突然変異体が存在することは、イネ育種において種子中の胚と胚乳の大きさを遺伝的に制御できる可能性を示している いっほう、巨大胚性を支配する遺伝子(ge)は、球状胚型変異体等との交雑実験から胚のサイズを直接支配する遺伝子ではなく、胚乳の形成異常を通じて表現型を間接的に決定していることが判明した また、無胚性(eml1-1)変異体は、受精後の生育温度に反応して無胚から発芽能力を示す正常胚を形成することが可能であった。つぎに、これら変異体の遺伝関係を調査したところ、これらの変異体の遺伝子間には無胚性遺伝子(eml)>小胚遺伝子(re)>巨大胚遺伝子(ge)の順で上位性が認められた 従ってこれらの変異体遺伝子は、胚乳形成過程の同一の制御に関して拮抗的に作用していると推定された これら変異体の一部を用いて、胚と胚乳の形成過程を組織学的に解析した結果、変異体の胚近傍では、胚乳細胞の分裂が制御されるのではなく、胚乳における澱粉などの貯蔵顆粒の蓄積が制御されていることが判明した
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