研究課題/領域番号 |
09660021
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
園芸・造園学
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
松本 省吾 岐阜大学, 教育学部, 助教授 (90241489)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
1998年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1997年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | バラ / リンゴ / 系統分類 / 自家不和合性 / matK / ITS / S-allele / PCR / オルガネラ |
研究概要 |
バラ科植物のオルガネラDNA、自家不和合性に関与するS-遺伝子型を解析し、次のような成果を上げた。 (1)バラ属32種の葉緑体ゲノム上のmatK部位の塩基配列データから分子系統樹を作製した。系統分類群は、基本的に既存の分類群とよく一致したが、Pimpinellifoliae節が多系統的であるなど一致しない点も見出された。現代バラの起原種6種が近縁であったことから、現代バラの遺伝的多様性は極めて限られたものであることが明らかとなった。 (2)バラ属23種の核ゲノム上のITS領域の塩基配列データから分子系統樹を作製した.系統樹は、matK解析に基づく系統樹とよく一致しており、4亜属の内、Platyrthodon亜属とHulthemia亜属が近縁であることが示され、不明であった亜属間の類縁関係が明らかとなった。 (3)リンゴ野生種、栽培種46種のS遺伝子型をS-allele特異的PCR法によって同定した。S遺伝子型解析は、リンゴ属全体の系統類縁関係を知るのに有効であった。また、日本の栽培種にはS_5、S_<26>、S_<27>がほとんどないなど、日本と西欧の栽培種間でS-遺伝子型に偏りが見られた。 (4)リンゴS-遺伝子型解析過程において、(1)‘あかぎ'、‘つがる'、‘陽光'の花粉親が、それぞれS_7、S_7、S_9遺伝子を持つこと、(2)少なくとも3種類の未同定のS遺伝子が存在すること、(3)‘金星'、‘きざし'の作出に、それぞれS_9、S_3遺伝子を持つ既報のものと異なる花粉親が用いられたこと、(4)‘祝'、‘印度'、‘北の幸'、‘静香゙、‘陸奥'、‘メク10'に新規S遺伝子‘S_g'が存在すること、を明らかにした。 (5)新規S遺伝子‘S_g'は、既知S遺伝子の一つS_fと、アミノ酸配列レベルで94%と高い相同性を有し、S-遺伝子の特異性、すなわち自己、非自己の認識に関わるとされるHV領域がわずか2アミノ酸しか異ならない興味深い遺伝子であった。
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