研究課題/領域番号 |
09660050
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
植物保護
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研究機関 | 島根大学 |
研究代表者 |
荒瀬 栄 島根大学, 生物資源科学部, 教授 (40127478)
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研究分担者 |
本田 雄一 島根大学, 生物資源科学部, 教授 (40181557)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
1999年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1998年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1997年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | イネいもち病 / 突然変異イネ / 遺伝子対遺伝子説 / エリシター / 拒否性 / 受容性 / 拒否牲 / いもち病 / 宿主特異的毒素 / 遺伝子対遺伝子 |
研究概要 |
関口病斑形成変異イネにいもち病菌を接種後、光照射あるいは暗黒の条件下に保つと、光照射下では接種24時間以降から活性酸素種の一つであるO_2^-の生成が見られ、72時間後には橙黄色、大型不整形の関口病斑が形成された。しかし、暗黒下では活性酸素の生成は見られず、形成される病斑も関口病斑ではなくいもち病斑あるいは褐点病斑が形成された。光照射下で形成される関口病斑数は、暗黒下でのいもち病斑や褐点病斑数に比べ著しく減少した。病斑内には二ソヒドリン陽性の抗菌物質が蓄積していた。以上のことは、関口病斑形成変異イネが光依存的に発現する抵抗機構を備えていることを示した。 関口病斑形成変異イネの切り取り葉鞘にイネ葉鞘内で発芽させて得た非親和性いもち病菌の胞子発芽液を減圧浸透処理あるいは24時間注入した後、親和性いもち病菌レースを接種した。その結果、親和性レースの侵入率及び菌糸伸展度は蒸留水処理葉鞘でのそれに比べ著しく抑制され、拒否性の誘導が観察された。しかもこの活性は、発芽液を得るために用いたイネといもち病菌の関係が親和性及び非親和性のいずれの組み合わせから得た発芽液においても認められた。しかし、プラスチック容器内で発芽させて得た発芽液を用いた場合には、このような拒否性誘導現象は観察されなかった。このことは、発芽液中の拒否性を誘導する因子は植物側の抵抗性関連因子によるのではなく菌側のエリシターによるものであることを示した。発芽液中の拒否性誘導を示すエリシターは、熱安定で、分子量5000以下の水溶性物質であった。以上の結果は、イネいもち病菌は胞子発芽時に宿主の抵抗性遺伝子に相補的なエリシターを宿主依存的に生成していることを示した。
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