研究課題/領域番号 |
09660126
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
食品科学・製品科学
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研究機関 | 岩手大学 |
研究代表者 |
長澤 孝志 岩手大学, 農学部, 助教授 (80189117)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
1999年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1998年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1997年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 食餌タンパク質 / 筋原線維タンパク質 / タンパク質分解 / タンパク質合成 / ロイシン / 3-メチルヒスチジン / p70S6キナーゼ / 必須アミノ酸 / ロイジン / キビ / ユビキチン / リソソーム |
研究概要 |
Sprague-Dawley系雄ラットを1日6時間だけ飼料を摂取するように慣らさせた後に、20%カゼイン食または無タンパク質食を1時間だけ摂取させた。血清3-メチルヒスチジン(MeHis)濃度と後肢筋からのMeHis放出速度(筋原線維タンパク質の分解速度)はカゼイン食では摂食3-6時間後に有意に減少したが、無タンパク質食では変化がなかった。タンパク質含量を増加させて分解速度を測定したところ、摂取タンパク質の濃度依存的に分解が抑制された。また、摂取タンパク質量を一定にしてエネルギー量を減らしても分解の抑制が認められた。これらは摂取タンパク質が摂取直後の分解を調節していることを示している。ラットに窒素源としてロイシンのみを含む食餌を与えたときも同様の分解の変化が認められた。さらに、ロイシン懸濁液を直接胃内投与すると、筋肉からのMeHis放出速度は直ちに減少したことから、食餌タンパク質による分解抑制作用には食餌タンパク質中のロイシンが関係していることが明らかとなった。 摂食後の筋原線維タンパク質の分解抑制に関与する分解系を解析した。リソソームによる分解系とカルシウムにより活性化される分解系を阻害すると摂食後の分解抑制が認められなくなったが、ATP-依存性の分解系を阻害しても分解抑制の傾向には変化がなかった。したがって、摂食後の分解抑制にはリソソームあるいはカルパインが関与していることが示唆された。 摂食後のタンパク質合成活性をシグナル伝達系から解析した。摂食後すぐにp70S6kのリン酸化が認められ、無タンパク質食では認められなかった。したがって、タンパク質(ロイシン)は摂食後ただちにp70S6kのリン酸化などを通じてタンパク質合成を促進し、それより遅れてカルパイン活性の変化などを介して分解を抑制することが考えられた。
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