研究課題/領域番号 |
09660154
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
林学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
露木 聡 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (90217381)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
1998年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1997年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | GPS / ディファレンシャル測位 / 全天写真 / ディジタル画像解析 / 東京大学北海道演習林 / 東京大学千葉演習林 |
研究概要 |
森林内では地形や樹冠に信号が遮断されGPS測位は困難である。そこで、測位を行いたいポイントの上空の開けている位置にGPS衛星が飛来する時刻を予測することにより、あらかじめ測位の可否を知り、測位計画のを立てることが必要となる。そのために、測位ポイント環境の画像情報とGPS衛星飛来情報を組み合わせ、GPS測位可能時刻予報システムを作ることを目的とした。フィールドとして、東京大学北海道演習林および千葉演習林を利用した。林内に測位点を設け、各点において魚眼レンズを装着した高性能ディジタルカメラにより天空を撮影し、また1時間以上の測位を行いGPS衛星信号を受信・記録した。ディジタル全天写真は画像解析手法により空、葉、幹、地面などの構成要素に分類し、各GPS衛星の軌道要素から算出した天空における衛星軌跡を使って、測位期間中10秒ごとの衛星位置と構成要素を対応させた。記録したGPS信号からは、各衛星の信号強度情報を抽出し、上で作成した構成要素と時間をキーとして対応付けを行った。空、葉、幹、地面などの要素は、GPS信号の透過しやすさを考慮して開空度(openness)に読み替え、GPS信号強度との関連を検討した。その結果、信号強度はおおよそ設定した開空度に対応していることがわかったが、信号の強弱や中断を完全に説明するわけにはいかなかった。この原因には、天空写真と衛星軌道が完全にマッチしていない可能性が考えられる。しかし、実際に現地で全天写真を撮影する場合には、当然この程度の誤差は含まれる。そこで、ユーザが開空度の下限や時間間隔を指定し、その条件で受信可能な衛星個数を検索することのできるプログラムを作成した。これにより、その地点でのGPS信号受信可能性をあらかじめ判断することができるようになった。現在このシステムは、市販の画像解析ソフトや表計算ソフトなどの機能を組み合わせて実現しているため、ひとつのソフト上で行うよりも手順が複雑で、自動化には至っていない。今後の検討課題としては、この研究で構築したアルゴリズムを、スタンドアロンシステムとしてソフトウェア化することが必要である。
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