研究課題/領域番号 |
09660173
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
林産学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
藤川 清三 北海道大学, 低温科学研究所, 助教授 (50091492)
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研究分担者 |
佐野 雄三 北海道大学, 農学部, 助手 (90226043)
大谷 諄 北海道大学, 農学部, 教授 (30001465)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
1998年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1997年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 細胞壁構造 / 低温走査電子顕微鏡 / 凍結耐性 / 低温順化 / 木部放射柔細胞 / 過冷却 / 細胞外凍結 / 寒冷気候 / 細胞壁 / 凍結挙動 / 深過冷却 |
研究概要 |
樹木の木部放射柔細胞の氷点下温度への適応機構の変化に細胞壁が重要な役割を持つことを明らかにした。まず、細胞壁のマクロな壁層構造の違いにより凍結挙動は大きく異なることを明らかにした。すなわち、細胞壁の全部(コウヤマキ)あるいはその大部分(アカマツ)が未木化の薄い一次壁からなる木部放射柔細胞は、アポプラスト水分の凍結により、細胞外凍結をする。一方、細胞壁が厚い木化した一次壁(スギ)あるいは二次壁(カラマツ)からなる木部放射柔細胞は凍結により過冷却を起こす。さらに、電子顕微鏡レベルでは認められないミクロな壁層構造の違いも木部放射柔細胞の凍結挙動の違いをもたらすことを明らかにした。すなわち、針葉樹ではカラマツなど、広葉樹ではシラカバ、ポプラ、ヤナギなどの寒冷地に生育する樹木の木部放射柔細胞は、電子顕微鏡観察では、季節的に変化しない木化した厚い二次壁を持つが、その凍結挙動は夏期には過冷却を起こし、冬期には細胞外凍結を起こすことを明らかにした。これら樹種の季節的な凍結挙動の変化も、電子顕微鏡観察では捕らえられないミクロな細胞壁の特性変化によることを明らかにした。季節的な細胞壁の変化を明らかにするため、細胞壁結合蛋白質の季節的変動を調べた。その結果、冬期には夏期に比べ、非常に多種・多様な細胞壁結合性蛋白質が誘導されることを明らかにした。引き続いて、これら細胞壁結合蛋白質の全アミノ酸配列の解析を行っている。
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