研究課題/領域番号 |
09660184
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
林産学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
西田 邦夫 (角田 邦夫) 京都大学, 木質科学研究所, 助教授 (30127104)
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研究分担者 |
井上 雅文 京都大学, 木質科学研究所, 助手 (20263155)
吉村 剛 京都大学, 木質科学研究所, 助手 (40230809)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1998年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1997年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 超臨界流体 / 高耐久化処理 / 防腐・防蟻 / 二酸化炭素 / 防腐薬剤 / 保存処理 |
研究概要 |
液状物質による木材あるいは木質系複合材料の高耐久処理では、処理後に乾燥が必要なことや寸法変化などの欠点があるばかりでなく、処理廃液管理など多くの問題がある。超臨界流体を利用する処理では、処理後の乾燥が省けるだけでなく、処理が必要な材料だけを処理に供し、処理後の超臨界流体や有効成分を分別回収できる可能性があり、ゼロエミッション型の高耐久化処理法として期待できる。本研究では、超臨界流体として二酸化炭素を用い、日本産樹種(スギとアカマツの心・辺材、カラマツ心材)と5種の木質ボード[中比重ファイバーボード(MDF)、ラワン合板、針葉樹合板、パーティクルボード、配向性ストランドボード(OSB)]を処理材料にして、処理性、処理による力学的性質への影響、処理材料の防腐性を検討し、下記のような結果を得た。 (1) 木材を処理した場合の力学的性質への影響は樹種によって異なり、浸透性が良好なスギ辺材では処理の影響は認められなかったが、浸透性が悪いカラマツ心材では曲げ強度が低下した。曲げ強度の低下は、処理時の木材外圧と内圧との差異による変形(落ち込み)によるものであった。 (2) したがって、超臨界流体による木材の高耐久化処理では、樹種別のの処理条件の選定が重要である。 (3) 超臨界二酸化炭素を処理媒体にして防腐薬剤を注入した木材には、耐朽性の向上が認められ、高耐久化処理への超臨界流体利用の可能性が示唆された。 (4) 木質ボードの場合には、超臨界流体処理による力学的性質の劣化はなく、超臨界流体が迅速にボード中に浸透したことを示していており、木質ボードの高耐久化処理への超臨界流体の適用性が強く支持された。
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