• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

"磯焼け"現象の解明:紅藻サンゴモ類のアレロケミカルスに関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 09660217
研究種目

基盤研究(C)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 水産化学
研究機関北海道大学

研究代表者

鈴木 稔  北海道大学, 大学院・地球環境科学研究科, 助教授 (30000855)

研究期間 (年度) 1997 – 1999
研究課題ステータス 完了 (1999年度)
配分額 *注記
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
1999年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1998年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1997年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
キーワード磯焼け / サンゴモ / 付着珪藻 / ウニ / コンブ / アレロケミカルス / グリセロ糖脂質
研究概要

磯焼けの持続要因として無節サンゴモによる他感作用物質(アレロケミカルス)の関与を想定し、磯焼け現象を化学物質の視点で明らかにすべく研究を行った。そこで、磯焼け地帯における紅藻サンゴモ類、付着珪藻類、コンブなどの大型海藻類およびキタムラサキウニなどの捕食者間の相互作用を制御しているアレロケミカルスを探索した。
その結果、サンゴモが微量化学物質を巧みに操って磯焼けの持続を仕組んでいるらしいことが分かってきた。すなわち、サンゴモは、コンブ配偶体の初期発生を抑制する物質を分泌して、高海水温の年にはサンゴモ上へのホソメコンブの入植を阻害する。さらに、サンゴモは、ウニ幼生を誘引し、且つ着底・変態を誘起する物質(グリセロ糖脂質)を分泌し、また、この物質は、ウニ稚仔や成体の摂食刺激物質でもあるためにウニを磯焼け地帯に棲息させ続け、その強い摂食圧(オーバーグレージング)によって磯焼け状態を持続させていると考えられる。なお、今のところ詳細は不明であるが、無節サンゴモ上の付着珪藻類もまた磯焼けの海底でサンゴモと同様にアレロケミカルスによって、キタムラサキウニ幼生の着底・変態を誘導し、また、コンブ配偶体の初期発生を抑制していることが明らかとなった。
磯焼け地帯は、「海の砂漢」でも「不毛地帯」でもない。磯焼けの海底でもそこに棲息する生物種間における関係が"食う-食われる"の食物連鎖ばかりではなく、種々の生物活性を発現する化学物質を介して多くの生物が多様な生態系を構成している。

報告書

(4件)
  • 1999 実績報告書   研究成果報告書概要
  • 1998 実績報告書
  • 1997 実績報告書
  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] T.Denboh,M.Suzuki,Y.Mizuno,T.Ichimura: "Suppression of Laminaria sporelings by allelochemicals from coralline red algae"Botanica Marina. 40. 249-256 (1997)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1999 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] K.Kurata,K.Taniguchi,Y.Agatsuma,M.Suzuki: "Diterpenoid feeding-deterrents from Laurencia saitoi"Phytochemistry. 47. 363-369 (1998)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1999 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 鈴木稔: "磯焼け現象の化学的解明-磯焼けの持続に関わるアレロケミカルス-"化学と生物. 38(印刷中). (2000)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1999 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] T. Denboh, M. Suzuki, Y. Mizuno, T. Ichimura: "Suppression of Laminaria sporelings by allelochemicals from coralline red algae"Botanica Marina. 40. 249-256 (1997)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1999 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] K. Kurata. K. Taniguchi, Y. Agatsuma, M, Suzuk: "Diterpenoid feeding-deterrents from Laurencia saitoi"Phytochemistry. 47. 363-369 (1998)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1999 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] M. Suzuki: "Chemical elucidation of Isoyake phenomenon -Allelochemicals involved in maintaining Isoyake-"Kagaku to Seibutsu. 38(in press). (2000)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1999 研究成果報告書概要

URL: 

公開日: 1997-04-01   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi