研究概要 |
道路走行時のトラクタおよびトラクタ-作業機系の異常振動がカオス由来の非線形振動であるとの仮説を検証し,これを回避するための設計論および制御論を検討した。 本研究の具体的研究経過は以下のとおりである. 平成9年度1.ヒッチングシステムのFree-Playを考慮にいれたトラクタ-作業機系の非線形機械振動モデルを構築した. 2.実機と試作した人工悪路走行実験により,モデルの検証を行った。振動数・振幅などの振動条件を変化させた場合の,トラクタ-作業機系の応答を実験的に測定する.この際,カオス解析を適用し,Free-Play起因のカオス振動発生という作業仮説を検証した. 平成10年度1.トラクタのジャンプ(バウンジング)現象を記述するモデルを構築した。人工悪路実験により,構築された非線形振動モデルの数値実験と実機実験結果の比較を行い,モデルの妥当性の検証をおこなった. 2.検証されたモデルによるパラメータスタディにより,モデルの非線形力学挙動を把握した. 3.実際の農道において走行実験を行い、トラクタの操作安定性に関する調査を行った。 4.一部の研究成果を公表した。(アメリカ農業工学会、農業機械学会) 平成11年度1.トラクタの非線形現象の制御法として、パッシブp法としての車軸サスペンション、アクティブ法としての遅延フィールドバック法の可能性をシミュレーションによって検討した。 2.非線形振動論とトラクタ事故との関連でサーベイを行い、本研究の実際問題への展開を構想した。 3.一部の研究成果を公表した。(アメリカ農業工学会、農業機械学、日本機会学会) 4.本研究成果を報告書として公表した。
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