研究概要 |
いろいろな光環境下でホロホロチョウの生理反応の実体を明らかにすることにより、ホロホロチョウの繁殖生理に基づいた適切な光線管理の方法を見出そうとした。 1.24時間周期のいろいろな明暗周期下でホロホロチョウを飼育した結果,供試鳥の体重は,20週齢までは長日条件(14L:10D及び18L:6D)下の方が短日条件(6L:18D及び12L:12D)より大きい傾向を示した。また,短日条件下で飼育した場合,産卵の開始4ヶ月以上遅れた。60週齢までの1羽当たりの産卵数は、18L:6Dの条件下で最も多かった。 2.1日の中で放卵は,明期の長さに関わらず明期の中間から1〜2時間遅い時間帯に最も高い頻度で認められることが明らかとなった。このことは,ニワトリ,ウズラ及びアヒル等と異なっていた。 3.卵管のエストロジェンに対する反応性や血漿中のエストラジオール濃度を検討した結果,成長初期の卵管重量がホロホロチョウの方がニワトリより大きいことは,体重が大きいことに関連することで、血漿エストラジオール濃度や卵管のエストロジェンに対する反応性に起因するものではないと考えられた。 4.血漿中のC_a、P及びM_g濃度は卵殻形成に伴って経時的に低下した。各ミネラルの無機の状態のものの総量に対する割合は,ホロホロチョウの方が高かった。 5.5〜20luxの異なる照度下で孵化直後から12週齢までホロホロチョウを飼育した結果,生存率は大差なかったが,5luxの条件下では最も体重が小さく飼料要求率が大であった。 6.5〜20luxの照度下で飼育したホロホロチョウの血漿コルチコステロン分泌について検討した結果,いずれの照度下でもストレスに反応して血漿コチルコステロンの分泌が認められたが,照度の違いによる差異は認められなかった。
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